親戚のおっちゃんに頼まれて
■ 目 次
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(1) 食事療法
(2) 有効性が示唆されている食品
(3) 関連書類(pdf)
(1) 食 事 療 法
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■ 有効な食品
・ 伝統的な日本食
(主食・主菜・副菜バランス良く、低脂肪・低コレステロール、適切なエネルギー量)
・ 魚類、大豆製品のたんぱく源
(DHAなどのn-3系多価不飽和脂肪酸)
・ 野菜、果物、未精製穀類、海藻
(ビタミン、ミネラル類・食物繊維・ポリフェノール)
■ 控える食品
・ 肉の脂身、乳製品、卵黄 内臓類
(脂質・コレステロール・飽和脂肪酸・トランス脂肪酸など)
・ 食塩を多く含む食品
(食塩は6g/日未満に)
・ アルコール
(25g/日以下に)
・ 甘い物
(糖分)
※食品と薬物の相互作用に注意する。
(ワルファリンを内服している場合、ビタミンK を多く含む納豆、クロレラ、青汁、 海藻類の摂取を控える等)
- 食物と薬の相互作用 | 厚生労働省 e-ヘルスネット
- 基本編 - 理論編 - サプリ編 - 健康食品編
| 参 考 元
・ 日本動脈硬化学会
- 動脈硬化の病気を防ぐガイドブック
・ 国立循環器病研究センター
- 循環器病の食事療法
- 生活習慣病にならない、なっても困らないための食事のコツ
- 食事療法について
- 栄養に関する基礎知識
- 循環器病と気になる嗜好品
・ 厚生労働省 e-ヘルスネット[情報提供]
- 栄養・食生活と高血圧
- 脂質異常症(基本)
- 脂質異常症(実践・応用)
- 食物繊維の必要性と健康
・ 公益社団法人 循環器病研究振興財団
- 循環器病の予防10箇条
(2)有効性が示唆されている食品
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・ ニンニク、ガーリックパウダー
・ 魚油、DHA
・ オリーブ油、ナッツ
・ 葛くず
・ 茶、カテキン
・ マグネシウム
・ ダイズ
・ オートムギ、燕麦、カラスムギ
・ 小麦ふすま、オールブラン
・ アボカド
・ 海藻
・ ペクチン(りんご、柑橘類)
・ ベニコウジ
・ 発酵食品、きのこ(ポリアミン)
・ トマトジュース
・ 抗酸化物質(ポリフェノール)
・ 抗酸化ビタミン(ビタミンA・C・E)
| 参 考 元
・ 独立行政法人 国立健康・栄養研究所
- PubMed(アメリカ国立医学図書館 国立生物工学情報センター(NCBI)医学・生物学分野 学術文献)
・ 一般財団法人 日本食品分析センター
・ 厚生労働省 e-ヘルスネット[情報提供]
・ 特定非営利活動法人 日本食品機能研究会
・ 健康百科 メディカルトリビューン
◇ ニンニク ・ ガーリックパウダー
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・ 有 効 性
- 経口摂取で有効性が示唆されているのは、高血圧、加齢に伴う血管の弾力性の減少抑制などである。
(PMID:18554422) (PMID:25557383)
- コミッションE (ドイツの薬用植物の評価委員会) では、血中脂肪を下げる効果と、老化による血管の変化を予防する、という2点において治療目的での使用が承認されている。
・ 安 全 性
- 適切に摂取する場合はおそらく安全である。
- 接触皮膚炎が多数報告されている。
- 大量の経口摂取は危険性が示唆されている。
- 消化管刺激作用を持つ可能性があるため、消化性潰瘍疾患がある人は慎重に。
・ 禁 忌 対 象 者
- 出血傾向が高まることが考えられるため、血液凝固系に障害のある人は禁忌。
・ 医薬品等との相互作用
- ワルファリンなどの抗血液凝固薬や、アスピリンなどの抗血小板薬との併用は、これらの薬剤の作用を強めるおそれがある
- 臨床検査において、血圧、コレステロール値、プロトロンビン時間 (血液凝固時間) 、尿中アリルメルカプツール酸などに影響を与えることがある。
- ニンニク成分含有製剤の摂取は、抗HIV薬 (HIVプロテアーゼ阻害剤) であるリトナビルおよびサキナビルの血中濃度を低下させ、効果を減弱する可能性があることが報告されている
- ニンニクサプリメントはシクロスポリンの有効性を低減させる可能性がある
- NRTIs (非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害薬) 型抗レトロウイルス剤 (ネビラピン、メシル酸デラビルジン、エファビランツなど) と併用すると、NNRTIsの血中濃度を低下させる可能性がある
【出典】- 独立行政法人 国立健康・栄養研究所|ニンニク
◇ 魚 油
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・ 有 効 性
- 有効性が示唆されているのは血中脂質の改善、心血管疾患発症リスクの低減。
(PMID:9347681) (PMID:10509862)
・ 安 全 性
- 通常食品に含まれる量を経口摂取する場合、おそらく安全である。3 g/日以上の大量摂取では危険性が示唆されている。
- 経口摂取時、一般に3~4 g/日以下であれば耐容性が高い。
- 大量摂取で危険性が示唆されている。
・ 禁 忌 対 象 者
- 調べた文献の中に見当たらない。
・ 医薬品等との相互作用
- 高用量の魚油は抗血小板作用を有するため、抗凝固薬や抗血小板凝集薬およびこれらの作用を有するハーブと併用すると出血のリスクが増大する可能性がある。
- 魚油には血圧降下作用があり、降圧薬治療を受けている患者には相加作用を及ぼすことがあるため注意が必要である。
- 末梢性肥満改善薬 (脂肪吸収阻害):消化管でリパーゼと結合し、脂肪の吸収を阻害するオーリスタットは、魚油と併用することで魚油の脂肪酸の吸収を阻害する。
- ビタミンEの値を低下させる。機序は不明であるが、吸収の低下もしくは他の組織でのビタミンEの消費増加によると考えられる
【出典】- 独立行政法人 国立健康・栄養研究所|魚油
◇ D H A
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・ 有 効 性
- 冠状動脈疾患に対して、経口摂取で有効性が示唆されている。
(PMID:17684201) (PMID:11593093)
- 中性脂肪を低下させる機能が特定保健用食品の審査で認められている。
・ 安 全 性
- 適切に用いれば経口摂取でおそらく安全であるが、大量摂取は危険性が示唆されている。
- 1日3 g以上の摂取で、凝血能が低下し出血しやすくなる可能性がある。
- EPA、DHAを含む魚油では、げっぷ、吐き気、鼻血、軟便が知られている。
・ 禁 忌 対 象 者
- 調べた文献の中で見当らない
・ 医薬品等との相互作用
- DHA含有魚油は、血圧を下げることがあるので、血圧降下剤を服用中の人では相乗効果が起きることがある。
- 臨床検査値 (インスリン、トリグリセリド、コレステロール、プロトロンビン時間、肺機能試験) に影響を与えることがある。
【出典】- 独立行政法人 国立健康・栄養研究所|DHA
◇ オリーブ油、ナッツ
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・ 有 効 性
- オリーブオイルの経口摂取で有効性が示唆されているのは、
1) 高血圧症
(PMID:10737284) (PMID:2296124) (PMID:3776973)
2) 高コレステロール血症
(PMID:18622895) (PMID:2296124) (PMID:3776973)
(PMID:2557203) (PMID:1550067) (PMID:8399091)
(PMID:10447788) (PMID:8986934) (PMID:9888874)
・ 安 全 性
- オリーブオイルは食品として適切に摂取すればおそらく安全である。
- 副作用としては、オリーブオイルの経口摂取で胆石患者における胆管疝痛が起きる可能性が知られている。
- 過剰摂取した場合の安全性のデータが十分でないため、妊娠中・授乳中は食品として摂る以上の量の摂取は避ける。
- 葉の安全性については信頼できるデータが十分でない。
- オリーブオイルの外用の副作用として、まれにアレルギー反応を起こす。接触性皮膚炎と遅延性過敏症が報告されている。
・ 禁 忌 対 象 者
- 調べた文献の中に見当たらない。
・ 医薬品等との相互作用
- 葉は血糖を下げるハーブや糖尿病治療薬の作用を増強させる可能性がある。
- 血糖値に影響を与えることがあるので、血糖値のモニタリングを行う。
- 血圧を下げるハーブや高血圧薬の作用を増強可能性がある。
【出典】- 独立行政法人 国立健康・栄養研究所|オリーブ
- 健康百科 オリーブ油やナッツの心臓病予防効果、科学的に証明される
【出典】- 米医学誌「New England Journal of Medicine」
◇ 葛 くず
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・ 有 効 性
- 治療目的では、血糖値、血圧、心臓血管系に対する作用が示唆されている。
- クズ抽出物は血流量を高め、血圧を下げ、冠状動脈を拡張する。また心拍リズムを安定させる。
- 食品素材として利用する場合のヒトでの有効性については、信頼できる十分なデータが見当たらない。
(文献1) (文献2)
・ 安 全 性
- 適切に経口摂取した場合、安全性が示唆されている。
- クズは4ヶ月まで安全に摂取できたという報告がある。また特に副作用は報告されていない。
- 根 (カッコン) を治療目的として利用した場合の副作用は多くみられないが、稀に軽度の頭痛を訴える人がいる。摂取量を減らせば症状が消える。
- 長期摂取の安全性は不明である。
・ 禁 忌 対 象 者 ―
・ 医薬品等との相互作用
- 抗凝血剤、アスピリン、血糖降下剤、心臓血管系の薬剤などとは相互作用の可能性がある。
- 治療、投薬中の糖尿病患者および心臓病の患者には、影響を及ぼす可能性がある。
- 臨床検査において、血糖値、血清コレステロール値などに影響を与えることが考えられる 。
- エストロゲン様作用のあるハーブやサプリメントとの併用で、それらの作用を増強することが考えられる。
- タモキシフェンを使用している人には、クズを摂取しないよう注意すること。
【出典】- 独立行政法人 国立健康・栄養研究所|クズ
◇ 茶 ・ カテキン
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・ 有 効 性
- 経口摂取で有効性が示唆されているのは、
1) 血中コレステロールおよびトリグリセリドの低下
(PMID:12824094) (PMID:7711535) (PMID:12824094)
(PMID:22246619) (PMID:19074207) (PMID:18356827)
2) 血圧調節
(PMID:25137341) (PMID:26024546) (PMID:15277285)
- 茶カテキンや茶ポリフェノールを関与成分とした特定保健用食品が許可されている。
・ 安 全 性
- 緑茶および緑茶エキスは適量であれば経口摂取でおそらく安全であが、多量の経口摂取はカフェインの副作用が出やすくなるので、危険性が示唆される。
- カフェイン7%含有エキスは6ヶ月まで安全とされる
- 過剰摂取は便秘、消化不良、めまい、動悸、不整脈、興奮、不眠、頭痛、利尿、不安、胸焼け、食欲不振、下痢を起こす。
- 慢性的に長期間、特に多量に摂取していると、耐性、習慣性、精神的依存性が生じることがある。
・ 禁 忌 対 象 者
- 調べた文献の中に見当たらない。
・ 医薬品等との相互作用
- カフェイン含有のハーブやサプリメント、エフェドラ、アルコールとの併用はカフェインの副作用を増強することがあるので注意すること。
- 鉄との作用:幼児では緑茶250 mL/日以上の摂取で小赤血球貧血を起こすことがある。
- 緑茶・紅茶は食品中の非ヘム鉄の吸収を低下させることがわかっている。
- 緑茶は鉄サプリメントの吸収を阻害することが考えられる。
- 医薬品との相互作用は数多く知られており、以下のような医薬品があげられる。
アデノシン、抗凝固薬、向精神薬、アスピリン、アセトアミノフェン、バルビツール系、ベンゾジアゼピン類、βアドレナリン作用薬、
クロルプロマジン、シメチジン、クロザピン、ジスルフィラム、エフェドリン、エルゴタミン、リチウム、MAO阻害薬、メキシレチン、
経口避妊薬、フェニルプロパノールアミン、フェニトイン、キノロン類、テオフィリン、ベラパミル、ワルファリン。
- シメチジン、経口避妊薬、フルコナゾール、キノロン系抗菌薬、テオフィリン、ジスルフィラムとの併用により、カフェインのクリアランスを低下させ、カフェインの作用/副作用を増強させるおそれがある。
- カフェイン400~1,000 mg/日の用量はクロザピンの作用、毒性を増強するおそれがある。
- ジピリダモールによる血管拡張を抑制するおそれがある。
- エフェドリンとの併用により、高血圧、心筋梗塞、脳卒中、発作、死に至るような重大な副作用のリスクが高まる可能性がある。
- エストロゲンはカフェインの代謝を抑制し、カフェインの副作用のリスクを高めることがある。
- 突然のカフェイン使用中止は、リチウムレベルを増加させることがある。
- メキシレチンはカフェインの作用および副作用を増強させるおそれがある。
- MAO阻害薬と大量のカフェイン摂取により、高血圧を発症させるおそれがある。
- フェニルプロパノールアミンとの併用により、相加的に血圧を上昇させるおそれがある。
- 以下のような疾患や健康状態の場合、緑茶の影響を受けることがあるので注意して用いること。
出血傾向、うつ、糖尿病、不整脈などの心臓異常、高血圧、骨粗鬆症、不安症、緑内障。
- 緑茶の摂取は以下のような臨床検査値に影響を与えることが考えられる
止血時間、クレアチン、クロム親和性細胞腫試験、神経芽腫試験、血中尿酸値、尿中カテコールアミンなど。
【出典】- 独立行政法人 国立健康・栄養研究所|チャ
【出典】- 独立行政法人 国立健康・栄養研究所|カテキン
◇ マグネシウム
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・ 有 効 性
- 経口摂取で有効性が示唆されているのは、
1) 軽症-中等症の高血圧の治療
2) 冠状動脈疾患を持つ人における狭心症発作の低減
3) 高コレステロール血症の改善
(PMID:22318649) (文献1)
・ 安 全 性
- 適切に用いれば、成人及び子供は経口摂取でおそらく安全である。
- 過剰摂取では下痢や高マグネシウム血症が起こることがある。特に重篤な腎不全患者における大量摂取は非常に危険である。
・ 禁 忌 対 象 者
- 高マグネシウム血症は心ブロックを起こすことがあるので、マグネシウム静注は、心ブロック患者には禁忌。
・ 医薬品等との相互作用
- ホウ素との併用で血中マグネシウム濃度が上昇することがある。
- カルシウムとの同時摂取でマグネシウムの吸収が抑えられる。
- 高濃度のビタミンDと併用すると、高マグネシウム血症を招くおそれがある。
- アミノグリコシド系抗生物質と、高レベルのマグネシウム静注で、神経筋の衰弱や麻痺が起こる可能性がある。
- マグネシウムはCa拮抗薬の作用を強める可能性がある。
- マグネシウムの排出を促進する薬物 (ループ系・チアジド系利尿薬、アミノグリコシド系抗生物質、アンホテリシンB、シスプラチン、β-2アゴニスト、コレスチラミン、副腎皮質ホルモン、シクロスポリンなど) との併用はマグネシウム摂取の効果を低下させる可能性がある。
- マグネシウムの排出を抑制する薬物 (カリウム保持性利尿薬) との併用はマグネシウム摂取の効果を増大させ、血中濃度を上げる可能性がある。
- テトラサイクリン、フルオロキノロン等の薬剤との併用で、同薬の吸収を低下させるおそれがある。
- ビスホスホネート系薬との同時摂取で、その吸収を妨げる。
- ニフェジピン経口摂取と硫酸マグネシウム静注との併用で、深刻な低血圧および神経遮断が起こることがある。
- 非経口摂取のマグネシウムは骨格筋弛緩剤 (塩酸ツボクラリンなど) の作用を増強させることが考えられる。
- ジゴキシンは、マグネシウムの尿細管再吸収を減少させ、尿中への排出を増加させる。
- エストロゲンは、柔組織や骨によるマグネシウムの取り込みを増強する。
- ペニシラミンは、マグネシウムとキレートを形成することがある。
- 緩下薬の長期使用は、低マグネシウム血症のような電解質の障害を引き起こすことがある。
- 臨床検査値に対する影響はいくつか知られているので注意が必要である。[アルカリホスファターゼ、ACE、血圧、カルシウム、コルチゾル、心電図、甲状腺ホルモンなど]。
- 高齢者は低マグネシウム血症になりやすいので注意。 -吸収不良 (胆汁分泌障害、腸内感染症などさまざまな要因による) の場合、マグネシウムの腸管吸収が低下することがある。
- 腎障害を持つ人は注意して用いること。
【出典】- 独立行政法人 国立健康・栄養研究所|マグネシウム
◇ ダ イ ズ
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・ 有 効 性
- 経口摂取で、高脂血症に対しておそらく有効である。
- 総コレステロール、LDL、中性脂肪を下げ、HDLには影響しないことが示されている。
(PMID:21952693)
- 大豆たんぱく質のコレステロール低下作用は、特定保健用食品の審査で認められている。
・ 安 全 性
- 適切に摂取する場合おそらく安全である。ダイズを経口摂取で60 g (イソフラボンとして90 mg含有) を2ヶ月間摂取した研究で安全性が示されている。
- ダイズを摂取すると胃腸の副作用 (便秘、鼓腸 (ガス) 、吐き気) 、アレルギーを起こす可能性がある。
- 詳細は不明だが、ダイズイソフラボンを含む製品の摂取による偏頭痛が報告されている。
- 理論上、生ダイズや、生又は未発酵の豆から調製したダイズ粉・粉末状ダイズタンパク質を常食するとすい臓の損傷が起こる可能性がある。
- 大豆を長期間多量に摂取すると、甲状腺機能が低下する可能性が示唆されている。
- ダイズ製品は腎臓結石のリスクを増大させることが考えられるので、既往歴のある人はダイズ製品を多く摂取しないこと。
- エストロゲン代替療法の効果をイソフラボンが阻害する可能性があるため、関連する医薬品との相互作用は発現の可能性があり、食品として以外のダイズ製品を摂取するのは避けた方がよい。
- 豆乳の摂取によりワルファリンの作用が減少した報告がある。
・ 禁 忌 対 象 者
- 調べた文献の中で見当たらない。
・ 医薬品等との相互作用
- ダイズのエストロゲン様作用によってタモキシフェンの効果に影響を与えるおそれがある
- ダイズタンパク質はワルファリンと相互作用を起こす可能性があるので、併用する際は医療関係者に相談する。
- ダイズタンパクは食品中の非ヘム鉄の吸収を低下させることがあるため、ダイズ製品と鉄サプリメントを併用して使用する際は、医療関係者に相談する。
- 抗生物質は大豆に含まれるイソフラボンの活性化を阻害する可能性がある。
【出典】- 独立行政法人 国立健康・栄養研究所|ダイズ
◇ オートムギ、燕麦、カラスムギ
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・ 有 効 性
- 冠動脈疾患のリスクを低下させることが示唆されている。
- LDLコレステロール値を低下させ、脂質異常症 (高脂血症) を改善させることが示唆されている。
(PMID:1654739) (PMID:2005733) (PMID:11716313)
(PMID:8279405) (PMID:9853540)
- 血糖値を低下させることが示唆されている。
(PMID:10805824) (PMID:8948386)
・ 安 全 性
- 適切に用いれば、経口摂取する場合はおそらく安全である。
- 嚥下障害がある者や小腸ぜん動運動が低下している者は胃腸管閉塞を起こす可能性がある。
・ 禁 忌 対 象 者
- 調べた文献の中に見当たらない。
・ 医薬品等との相互作用
- 調べた文献の中に見当たらない。
【出典】- 独立行政法人 国立健康・栄養研究所|オートムギ
◇ 小麦ふすま、オールブラン
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・ 有 効 性
- コムギふすまは血圧を下げる目的に対して、経口摂取で有効性が示唆されている。
(PMID:9193441)
・ 安 全 性
- 小麦ふすまは経口で摂取する場合、ほぼ安全である。
- 小麦製品の摂取により蕁麻疹やアナフィラキシーショックなどのアレルギーの報告がある。
- 摂取した場合、初めのうちコムギふすまはガスや、胃腸の不快感の原因になる可能性がある。
・ 禁 忌 対 象 者
- 調べた文献の中で見当たらない。
・ 医薬品等との相互作用
- ジゴキシンと併用すると吸収を阻害する可能性がある。
- コムギふすまは食品中の鉄分の吸収を阻害する。
- 高血圧の患者において、臨床検査での血圧の測定値が低く出る可能性がある。
◇ ア ボ カ ド
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・ 有 効 性
- 高コレステロール血症に対して、有効性が示唆されている。
・ 安 全 性
- 果実を食品として一般的な量を摂取する場合、おそらく安全である。
- ワルファリンの抗凝血作用を減弱する可能性がある。
・ 禁 忌 対 象 者
-ラテックスアレルギーがある人は摂取を避ける。
・ 医薬品等との相互作用
- 抗リン脂質抗体症候群のためワルファリンを服用していた15歳女性 (イスラエル) が、アボカド100 g以上を毎日摂取し続けたところ、INR値が低下し、アボカドの摂取を中止したところワルファリンコントロール領域に回復したが、3ヶ月後に再び摂取したところINR値が低下した。
- 肺塞栓症のためヘパリン治療の後ワルファリンを服用していた30歳女性 (妊娠22週、トルコ) が、アボカド200 g/日を2日間連続で摂取したところ、INR値の低下が認められ、アボカド除去食により回復した。
【出典】- 独立行政法人 国立健康・栄養研究所|アボカド
- 健康百科 1日1個のアボカドでコレステロール値改善か―米研究
【出典】- PubMed 米国国立医学図書館 国立衛生研究所 PMID:25567051
◇ 海 藻
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・ 有 効 性
- 海藻由来の低分子化アルギン酸ナトリウムはコレステロールの吸収を抑える機能が特定保健用食品の審査で認められている。
・ 安 全 性
- サプリメントなど、食品として摂取する以外の安全性については参考となる十分なデータが見当たらない。
・ 禁 忌 対 象 者
- 調べた文献の中で見当らない。
・ 医薬品等との相互作用
- 動物実験 (ラット) において、Fucus vesiculosus 抽出物の同時摂取は、アミオダロン (抗不整脈薬) の血漿中濃度 (Cmax、AUC) を低下させた。
【出典】- 独立行政法人 国立健康・栄養研究所|海藻
◇ ペ ク チ ン(りんご、柑橘類)
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・ 有 効 性
- コレステロールの低下に対して経口摂取で有効性が示唆されている。
(PMID:3229016)
・ 安 全 性
- 通常食品に含まれる量を摂取する場合、おそらく安全である。
- ペクチンとグアーガムおよび不溶性食物繊維を同時に摂取すると、下痢、ガス、軟便といった胃腸症状を発症する可能性がある。
- ペクチンの粉末を吸い込むと喘息を発症する可能性がある。
・ 禁 忌 対 象 者
- 調べた文献の中に見当たらない。
・ 医薬品等との相互作用
- 併用によりジゴキシン、ロバスタチン、テトラサイクリン系抗生物質などの腸管吸収が阻害される。
- 併用によりβ-カロテンの吸収が阻害される。
【出典】- 独立行政法人 国立健康・栄養研究所|ペクチン
- 健康百科 柑橘類で女性の脳梗塞リスクが低下―米研究
【出典】- PubMed 米国国立医学図書館 国立衛生研究所 PMID:22363060
- 健康百科 リンゴやナシに脳卒中予防効果
【出典】- PubMed 米国国立医学図書館 国立衛生研究所 PMID:21921279
◇ ベニコウジ
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・ 有 効 性
- ベニコウジは経口摂取で、コレステロールとトリグリセリドを下げるのにおそらく有効である。
(PMID:9989685) (PMID:20153154)
・ 安 全 性
- 短期間に経口で適切に摂取した場合、安全性が示唆されている。12週間の複数の臨床研究では、ベニコウジの摂取は安全であった。
- 長期の摂取での安全性については十分なデータがないので不明である 。
- ベニコウジの副作用としては頭痛や胃炎、腹部不快感、、筋肉痛、腎障害、肝臓酵素活性の上昇を引き起こすことがある
- 臨床試験ではその他に胸焼け、ガスでお腹が張る、めまいなどの副作用はあったが試験を中止するほどではなかった。
- ベニコウジに含まれるメビン酸により、HMG-CoAレダクターゼ阻害剤 (スタチン系薬剤) と同様の横紋筋融解が起きることが考えられる。
- 詳細は不明であるが、ベニコウジを含む肉に触れたことによるアナフィラキシーが報告されている。
・ 禁 忌 対 象 者 ―
・ 医薬品等との相互作用
- アルコール、スタチン系薬剤、シクロスポリン、レボチロキシン (人工甲状腺ホルモン剤) 、GABAに影響する可能性のある薬物、ナイアシン、コエンザイムQ10、グレープフルーツなどとの併用による相互作用が知られている。
- 肝毒性、あるいは甲状腺ホルモン作用やコレステロール低下作用のあるハーブやサプリメント、セイヨウオトギリソウとの併用で相互作用が起きる可能性がある。
- 出血のリスクを高める可能性があるため、抗凝血薬 (アスピリン、ワルファリンなど) 、血小板凝集阻害薬 (クロピドグレルなど) 、非ステロイド系抗炎症薬 (イブプロフェンやナプロキセンなど) との併用には注意が必要である。
- 出血性疾患の人や出血のリスクが高まる可能性がある薬物を服用している人が使用すると危険が伴う。
- 肝臓中の薬物代謝酵素チトクロームP450を阻害する薬と併用すると、筋肉および腎臓の障害のリスクを増大させる可能性があるため、注意が必要である。
- 臨床検査では、肝臓の酵素、血清コレステロール、クレアチンキナーゼなどの値に影響を与えることがある。
【出典】- 独立行政法人 国立健康・栄養研究所|ベニコウジ
◇ 発酵食品、きのこ(ポリアミン)
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動脈硬化を例にとると、免疫細胞のLFA-1が少なければ酸化コレステロールが血管壁 に沈着しても炎症が起きにくくなります。すなわち動脈硬化が進行しにくくなります。
ポリアミンには抗炎症作用があるということを私達は1997年にLancetなどに発表しています。
さらに、2005年には、ポリアミンが人の体内でリンパ球表面 にあるLFA-1を抑制しているという事実を医学雑誌(J.Immunol)に報告しています。
【出典】- 自治医科大学大宮医療センター 早田 邦康 氏
ポリアミンは細胞の成長と増殖に関与 一方でがん細胞の増殖・成長を促進する作用もある。
【出典】- 一般財団法人 日本食品分析センター | 食品中のポリアミンを含む生体アミン
◇ トマトジュース
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アディポネクチンは脂肪細胞でつくられるアディポサイトカインの一種であり、糖尿病や動脈硬化を予防・改善する作用があります。
リコピンを0.05%および0.2%含む飼料を与えたマウス(リコピン0.05%、リコピン0.2%)では、リコピンを含まない飼料を与えたマウスに対して、いずれも血中アディポネクチン濃度が有意に増加しました。また、リコピンを含む飼料を与えることによって、脂肪組織中にリコピンが蓄積することを確認しました。
以上の結果より、リコピンが脂肪組織に蓄積することによって、脂肪組織からのアディポネクチンの分泌に影響を与えた可能性が示唆されました。
- KAGOME リコピンに血中アディポネクチンを増加させる作用を確認
◇ 抗酸化物質、ポリフェノール
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活性酸素を取り除き、酸化の働きを抑える物質のことです。活性酸素は微量であれば人体に有用な働きをしますが、大量に生成されると過酸化脂質を作り出し、動脈硬化・がん・老化・免疫機能の低下などを引き起こします。
【出典】- 厚生労働省 e-ヘルスネット[情報提供] | 抗酸化物質
ポリフェノールは,動脈硬化の原因となるLDLの酸化変性を抑制することで,動脈硬化を防ぐと考えられています。
【出典】- 一般財団法人 日本食品分析センター | ポリフェノール抗酸化性
◇ 抗酸化ビタミン
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活性酸素は動脈硬化を起こしやすくする過酸化脂質を作り出したり、がん・老化・免疫機能の低下などを引き起こします。
ビタミンAは食品中にβ-カロテン(カロテノイドの一種)として多く含まれますが、このβ-カロテンには活性酵素の発生を抑え、取り除く働きがあります。
ビタミンEは抗酸化作用のほか、細胞内に過酸化脂質が作られるのを抑える働きがあります。
ビタミンCもまた過酸化脂質の生成を抑える働きを持っています。
このほか「ビタミン様作用物質」と呼ばれ、厳密にはビタミンとは区別されるものの中にも、ビタミンQなど抗酸化作用を持つものがあります。
【出典】- 厚生労働省 e-ヘルスネット[情報提供] | 抗酸化ビタミン
(3) 関連書類(pdf)
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・ 合同研究班参加学会:
(日本循環器学会,日本医学放射線学会,日本胸部外科学会,日本血管外科学会,日本心臓血管外科学会,日本心臓病学会,日本脈管学会)
- 大動脈瘤・大動脈解離診療ガイドライン
・ 日本動脈硬化学会/日本医師会
- 動脈硬化性疾患予防のための脂質異常症治療のエッセンス
・ 公益社団法人 循環器病研究振興財団
- 大動脈にこぶができたら
・ 厚生労働省
- 学会ガイドラインの概要と食事療法等に関する記載
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000002uo5n-att/2r9852000002uv7j.pdf
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000002uo5n-att/2r9852000002uv5l.pdf